六千の碑との対話(十首歌)

もはや戦後ではありませね昭和のつけ令和で清算しなければならぬ

竣工碑顕彰碑など色々あり目を背けてはひたすら走る

戦没の墓碑は軍人墓地ならず一般墓地の片隅にもある

堂々と立ちはだかっている碑より貧農五男六男の小さなる墓碑よ

継子ゆえ小さな墓碑が野晒になっているあり丁寧に拝む

毎日が巡礼慰霊の旅にして三豊平野の六千の墓碑

戒名法名どちらでもよしどこでどんなに死んだのですか

一本の花も線香も上げられず死没の場所と年月書き取る

堤防の切れたるごとく戦没の慰霊の心野辺を浸す

私は聖業ならず侵略者の日本男児であります償い私流に