明日ありと思ふ心の仇桜夜半に嵐の吹かぬものかは(親鸞)
あひ見ての後の心に比ぶれば昔はものを思はざりけり(拾遺集)
門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし(一休)
君ならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る(古今集)
心には下行く水のわき返り言はで思ふぞ言ふにまされる(古今六帖)
そこひなき淵やは騒ぐ山川の浅き瀬にこそ徒波は立て(古今集)
長らへばまたこのごろやしのばれん憂しと見し世ぞ今は恋しき(新古今集)
世の中は何か常なる飛鳥川昨日の淵ぞ今日はに瀬になる(古今集)
何事もみな偽りの世の中に死ぬるばかりぞ真なりける
ある時はありのすさみに憎かりき亡くてぞ人は恋しかりける