2011-07-27から1日間の記事一覧

短冊三百二十一

三百二十一 そのしがたうつす・やかきつはた ・一

短冊三百二十

三百二十 庵涼し月を・のいつれにも 土佐 古通

短冊三百十九

三百十九 宗鑑の旧跡に墨痕を開く 行はるの・見付たり一夜庵 茂

水辺の歌人

『水辺の万葉集』 大伴家持に最も力を入れているのは、知る人ぞ知る越中高岡市。その万葉歴史館が平成10年からテーマ毎にかなり専門的な論考を刊行している。その初回のもの。 「水辺」をテーマに、新たな視点から海浜、湖沼池などに関わる万葉歌を取り上…

天皇の始源と女性歌人

『額田王の謎』梅田恵美子 額田王が「あかねさす紫野行き標野行き…」と歌ったのに対して大海人皇子が「紫草のにほへる妹を憎くあらば…」と返した万葉の名歌、絶唱。万葉に惹かれる始まりは、この相聞歌からと言う人が多いと言う。ところが、この歌は雑歌に入…

聖徳太子は痴愚だった?

『逆説の日本史2 古代怨霊編』井沢元彦 「日本の歴史は怨霊の歴史」と言わしめているものは何か。著者の持論としている日本歴史学の欠陥「呪術的〈宗教的〉側面の無視」である。たとえば、7世紀に実在した厩戸皇子が理想化された「聖徳太子」に発展してい…

人麻呂と古今集

『『古今和歌集』の謎を解く』織田正吉 人麻呂に関する仮名序の記述が誤りだということを合理的に批判したのは、契沖である。その論拠は次のように要約される。 (1)人麻呂は持統・文武朝の人物にまちがいない。平城天皇の時代(「ならの御時」)は人麻呂…

人と作品の追体験

『鷗外の坂』森まゆみ 「プロローグ『青年』が歩く」から文章が快調に展開する。作中の青年小泉純一が東京方眼図に従って歩く。坂の上と下、東京の貧富の差を地方出身の青年は三十分で実見する。著者もその追体験として歩く。歩行は、鷗外自身が精神の自由を…

生きる意味を問う対話

『何のために生きるのか』五木寛之 五木…「坂上の雲」という言い方がありますね。司馬(遼太郎)さんと話していて、僕は面白いなあと思ったのだけれども、『坂の上の雲』が高度成長の応援歌のように思われた時期がある。それを司馬さんは苦々しく不愉快に思…

人間の極限の時

『わが人生の時の時』石原慎太郎 40掌編の中から戦争に関連する3編を取り上げてみよう。 「人生の時を味わいすぎた男」は、真珠湾攻撃に参加した操縦士が、ゲイバーになっている不思議さが語られている。あの時あの真珠湾で死ななかったし、その後数々の…

童話「注文の多い料理店」

「注文が多い」とは、客側から注文を多くつけられるという意味に取るのが普通ではなかろうか。ところが、この童話では反対で、料理店側が客に注文をつけるのである。二人の客が山猫軒という西洋料理店に入り、次々扉を開けて中に入っていくにつれ、注文をつ…

7月27日 誕生日の花・花言葉・歌句・万葉歌

7月27日 誕生日の全国35万人の皆さん、おめでとうございます (拙句) 無邪気より可憐がいいな松葉牡丹 雅舟 7月27日 【花】 マツバボタン(スベリヒユ科) 【花言葉】 無邪気 可憐 【短歌】陽に焦げる土を這いつつ赤黄白マツバボタンは無邪気に咲…