香川県内芭蕉句碑 (全21基)

     
  【香川県芭蕉句碑一覧】
                                 [所在地]          [建立年] 
1 早苗とる手もとやむかし志のぶ摺   観音寺市琴弾八幡宮鳥居横  安永4年(1775)
2 世を旅にしろかく小田の行きもどり  善通寺市大麻町原御堂    寛政5年(1793) 
3 露とくとくこころみに浮世すすがばや 丸亀市北平山町定福寺    寛政5年(1793)
4 涼しさや直に野松の枝の形      三豊市詫間町積稲荷神社   文化13年(1816)
5 堂うとかるなみだや染て散るもみぢ  三豊市大野原町高尾観音堂  嘉永年間(1909~)
6 すずしさやすぐに野松の枝の形    三豊市大野原町中姫弁天   嘉永年間(~1914)
7 初しぐれ猿も小蓑をほしげ也     小豆郡小豆島町寒霞渓四方頂  安政3年(1917)
8 此あたり眼に見ゆるものみな涼し   小豆郡小豆島町池田西ノ滝   安政3年(1917)
9 観音の甍見やりつ花の雲       さぬき市長尾町長尾寺     安政4年(1918)
10 野さらしを心に風のしむ身かな   高松市十河東町中尾   江戸中期~後期
11 のみ虱馬の尿する枕もと      小豆郡土庄町淵崎六字庵    明治初期(1929~)
12 旅人と己が名呼れん初時雨     観音寺市室本新田自治会館前 明治12年(1940)
13 花の陰硯にかはる丸瓦       仲多度郡琴平町琴平山千種台 明治20年(1948)
14 鶯や竹の子藪に老を聞く      小豆郡土庄町小馬越       〃 
15 名月や門にさしたる汐がしら    善通寺市金蔵寺金倉寺   明治26年(1954)
16 春もやゝけしきとゝのふ月と梅   小豆郡土庄町松崎庵     明治28年(1956)
17 山路来てなにやらゆかし菫草    仲多度郡多度津町白方海岸寺 明治28年(1956)
18 夏草やつはものどもの夢の跡    高松市屋島東町屋島寺    大正13年(1985)
19 西行の庵もあらん花の庭     坂出市本町一丁目うつぼや旅館 昭和23年(1948)
20 旅ぴとと我名呼れむ初しぐれ   観音寺市柞田町剣持屋敷    昭和58年(1983)
21 旅人と我が名呼ばれん初しぐれ  三豊市仁尾町道明寺・風羅衣碑 昭和59年(1984)
【解説】芭蕉は生前、四国へ訪れていないが、蕉風・蕉門の俳諧は脈々と継承されていた。 香川県の場合、句碑もまた、熱烈な愛好者によって以上のように多く建てられ、尊崇された。ここに建立順に列記した。特に冒頭の句碑は230年前もので、170年前天保10年「再建はされているが、貴重である。この碑は、一茶の師である二六庵竹阿の指導によって、芭蕉直筆の短冊が刻まれたものである。「早苗塚」と称して「句碑」とともに大切に保存されている。香川県最古の芭蕉句碑である。