万葉の朝貌は桔梗の花〔牧野富太郎説〕

万葉集山上憶良の歌「萩の花 尾花葛花撫子が花女郎花また藤袴朝顔が花」と詠まれている。

 寛平四年(892)僧昌住の著した『新撰辞鏡』に「桔梗、二八月採根曝干、阿佐加保、又云岡止々支」とある。すなわちこれが岡トトキの名を伴った桔梗をアサガオだとする唯一の証拠である。信をこの貴重な文献においてそれに従ってよいと信じる。