日本語「いい(好い)]感じ

 普通の日本語で「いい」は漢字で「善い」「良い」も当てられるが「好い」が一般的か、されど漢字では書きたくない。「いい」がいい。「善良」good感覚ではなく「このもしい」感じを表し、現れる日本語の代表である。「よい」の口語的表現。日本語の名手川端康成が『伊豆の踊子』で「いい人はいい人」「ほんとうにいい人」と繰り返して使っている。

 我々は日常様々な意味合いで「いい」を「いい加減(二通り」に使っている。その他多様に使い慣れている。①「いいざまだ」「いいかっこうして」=反語として悪い意味 ②「いい気味だ」「頭痛をいいことにして」=あざけったり、口実にする ③「いい球」=投手にとっては打ちにくい球、打者にとっては打ち易い球 ④「もういいよ」「いいようにしてくれ」=やめてくれ、勝手にすればいい ⑤「ぜいたくもいいところだ」=程度が過ぎる ⑥「いい目が出る」=好都合

 総括して「いい」は「善良」という道徳観よりは「好都合」という大和民族の親和感・曖昧・柔和感の表れであろうか。