3露とくとくこころみに浮世すすがばや 丸亀市北平山町定福寺寛政5年(1793)
4涼しさや直に野松の枝の形 三豊市詫間町積稲荷神社 文化13年(1816) 5堂うとかるなみだや染て散るもみぢ 三豊市大野原町高尾観音堂 嘉永年間(1909~) 6すずしさやすぐに野松の枝の形 三豊市大野原町中姫弁天嘉永年間(~1914) 7初しぐれ猿も小蓑をほしげ也 小豆郡小豆島町寒霞渓四方頂 安政3年(1917) 8此あたり眼に見ゆるものみな涼し 小豆郡小豆島町池田西ノ滝 安政3年(1917) 9観音の甍見やりつ花の雲 さぬき市長尾町長尾寺 安政4年(1918) 10 野さらしを心に風のしむ身かな 高松市十河東町中尾 江戸中期~後期 11のみ虱馬の尿する枕もと 小豆郡土庄町淵崎六字庵 明治初期(1929~) 12 旅人と己が名呼れん初時雨 観音寺市室本新田自治会館前 明治12年(1940) 13 花の陰硯にかはる丸瓦 仲多度郡琴平町琴平山千種台 明治20年(1948) 14鶯や竹の子藪に老を聞く 小豆郡土庄町小馬越 〃 15名月や門にさしたる汐がしら 善通寺市金蔵寺町金倉寺 明治26年(1954) 16春もやゝけしきとゝのふ月と梅 小豆郡土庄町松崎庵 明治28年(1956) 17山路来てなにやらゆかし菫草 仲多度郡多度津町白方海岸寺 明治28年(1956) 18夏草やつはものどもの夢の跡 高松市屋島東町屋島寺 大正13年(1985) 19西行の庵もあらん花の庭 坂出市本町一丁目うつぼや旅館 昭和23年(1948) 20旅ぴとと我名呼れむ初しぐれ 観音寺市柞田町剣持屋敷 昭和58年(1983) 21旅人と我が名呼ばれん初しぐれ三豊市仁尾町道明寺・風羅衣碑昭和59年(1984) 【解説】芭蕉は生前、四国へ訪れていないが、蕉風・蕉門の俳諧は脈々と継承されていた。 香川県の場合、句碑もまた、熱烈な愛好者によって以上のように多く建てられ、尊崇された。ここに建立順に列記した。特に冒頭の句碑は230年前もので、170年前天保10年「再建はされているが、貴重である。この碑は、一茶の師である二六庵竹阿の指導によって、芭蕉直筆の短冊が刻まれたものである。「早苗塚」と称して「句碑」とともに大切に保存されている。香川県最古の芭蕉句碑である。 |