さぬき市に異常に多い句碑

 さぬき市には120基以上の文学碑がある。
そのうち、種田山頭火の句碑が67基、平成10年前後に多く建立されている。
所在地としては集中的に2ヵ所にかたまっている。
  宗林寺…36基(山頭火21、斗志男1、放哉2、碧梧桐3、その他9)
  竹屋敷…24基(山頭火20、斗志男3、碧梧桐1)
 
   
 【俳諧の寺・宗林寺香川県さぬき市長尾町)の句碑群】      
 句碑・歌碑など文学碑はよく見かける。顕彰碑よりよほどいい。通りすがりに読んで、すぐ意味が分かり、感動できるものならばなおいい。一基でいい。多くて三基までだ。ところが、俳諧寺・宗林寺には文学碑を、なんと五十基も建てている。狭い境内に溢れ出るように林立されている。誤解を招かぬために言っておくと、それぞれが個性溢れる句碑・歌碑のいわば〈総合展示場〉で、凄いと言いたいのである。居ながらにしてこれだけの文学碑が一堂に会して見られるのだ。ありがたいと思わねばならない。句碑の乱立、句碑のデパートなどと、けなすべきではなかろう。ただ、この句がいつどこで作られたものかの説明がないと、ここですべて作られたものと錯覚するではないか。厳しく言えば、建てただけならば、功罪が相半ばするように思われてならない。
 この地も訪れたことのある山頭火の句碑が一番多く、21基ある。
 
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   まったく雲がない 笠をぬぎ゛    種田山頭火

   音はしぐれか             〃

   ほうたるほうたるなんでもないよ    〃

      行乞途上
   秋ふかみゆく笈もぴったり身について  〃

   感謝、感謝!感謝は誠であり信である  〃

   歩々到着               〃

   うれしいこともかなしいことも草しげる 〃

   うどん供えて 母よ わたしもいただきまする 〃

   しぐるるやしぐるる山へ歩み入る       〃

   うしろすがたのしぐれてゆくか        〃

   このみちをゆくよりほかない草のしげくも   〃

   大樟も私も犬もしぐれつつ          〃

   人生即遍路                 〃

   まことお彼岸入の彼岸花           〃

   東漂西泊 花開草枯 自性本然 歩々仏土   〃

   草が咲くかまどのてふてふ          〃