粟島の文学碑

   
    島人に涅槃の鐘の鳴り渡る   美代

 平成9年、三豊市詫間町粟島出身村中美代さんが喜寿祝に建立したものである。
 島内には他の俳人の木製句碑もあちこちにあって情緒をかもしている。

 また、注目すべきは須田港に建てられている万葉歌碑である。一本の木柱の三面に次の歌が書かれている。碑(石文)ではなく、木文(案内表示)かもしれない。

   百づたふ八十の島廻を漕ぎ来れど粟の小島し見れど飽かぬかも   
                                 柿本人麿

   武庫の浦を漕ぎ廻る小舟粟島を背向に見つゝ美しき小舟
                                 山部赤人

粟島に漕ぎ渡らむと思へども明石の門波いまだ騒げり
                                 作者不詳

 詫間町粟島とは名ばかりのつながりであっても、万葉への親しみが感じられ、これもまた是としなければなるまい。