萩の花は万葉の女王

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万葉集』4516首中、萩の花は142首に詠まれ、集中一番多い。
 
2125: 春日野の萩し散りなば朝東風の風にたぐひてここに散り来ね
2126: 秋萩は雁に逢はじと言へればか声を聞きては花に散りぬる
2127: 秋さらば妹に見せむと植ゑし萩露霜負ひて散りにけるかも
2142: さを鹿の妻ととのふと鳴く声の至らむ極み靡け萩原
2143: 君に恋ひうらぶれ居れば敷の野の秋萩しのぎさを鹿鳴くも
2144: 雁は来ぬ萩は散りぬとさを鹿の鳴くなる声もうらぶれにけり
2145: 秋萩の恋も尽きねばさを鹿の声い継ぎい継ぎ恋こそまされ
2150: 秋萩の散りゆく見ればおほほしみ妻恋すらしさを鹿鳴くも
2152: 秋萩の散り過ぎゆかばさを鹿はわび鳴きせむな見ずはともしみ
2153: 秋萩の咲きたる野辺はさを鹿ぞ露を別けつつ妻どひしける
2168: 秋萩に置ける白露朝な朝な玉としぞ見る置ける白露
2170: 秋萩の枝もとををに露霜置き寒くも時はなりにけるかも
2171: 白露と秋萩とには恋ひ乱れ別くことかたき我が心かも
2173: 白露を取らば消ぬべしいざ子ども露に競ひて萩の遊びせむ
2175: このころの秋風寒し萩の花散らす白露置きにけらしも
2182: このころの暁露に我がやどの萩の下葉は色づきにけり
2204: 秋風の日に異に吹けば露を重み萩の下葉は色づきにけり
2205: 秋萩の下葉もみちぬあらたまの月の経ぬれば風をいたみかも
2209: 秋萩の下葉の黄葉花に継ぎ時過ぎゆかば後恋ひむかも
2213: このころの暁露に我が宿の秋の萩原色づきにけり
2215: さ夜更けてしぐれな降りそ秋萩の本葉の黄葉散らまく惜しも
2221: 我が門に守る田を見れば佐保の内の秋萩すすき思ほゆるかも
       その他 計142首