万葉 萩の歌 10 首
花の中で最も多き百四十二首萩を詠みたる万葉の歌
憶良らは秋の七草筆頭に萩を挙げたる万葉の歌
奥山に棲む雄鹿の妻問ひの声に秋萩の散る万葉の歌
さ牡鹿は露を分けつつ妻問ひのわび鳴きすとふ万葉の歌
秋田刈る借廬の宿のにほふまで萩咲くと詠む万葉の歌
秋風の涼しくなれば馬並めて野の萩を見にゆく万葉の歌
秋萩の咲けば折り取り挿頭さむとする悠長な万葉の歌
佐紀野萩照り映ゆる光景そのことをにほひて居らむ万葉の歌
萩の花散らまく惜しみ友どちと競ひ立ち見むと詠める万葉の歌
一つ家に遊女も寝たり萩と月芭蕉遥かに万葉の歌