令和を清貧に生きたくて
日本の戦没者の大方は餓死したるそれも知らない飽食の現代
戦没の碑に餓死などと書けません戦病死とあるは餓死かもしれぬ
たらふくと食べ太りたる現代の超飽食からこぼれる清貧
貧農に生まれて祖父も父上も戦死したれど靖国にはいない
我もまた軍国少年でありしかど歳が足らずに戦士になれず
戦中のひもじい思い子に言えず孫にも言えず戦後七十五年
飢餓の国飢餓の国民見捨ていて贅の限りを尽くすこの国
貧富の差に目を瞑りいる飽食の国は見えざる罪犯しいる
せめて絶食疑似体験をしてみても極限まではとても至れず
戦後なお弱い人間であり続け せめて令和は清貧に生きむ