飽食の時代へのAntithesis(10首歌)

    令和を清貧に生きたくて

 日本の戦没者の大方は餓死したるそれも知らない飽食の現代

 戦没の碑に餓死などと書けません戦病死とあるは餓死かもしれぬ

 たらふくと食べ太りたる現代の超飽食からこぼれる清貧

 貧農に生まれて祖父も父上も戦死したれど靖国にはいない

 我もまた軍国少年でありしかど歳が足らずに戦士になれず

 戦中のひもじい思い子に言えず孫にも言えず戦後七十五年

 飢餓の国飢餓の国民見捨ていて贅の限りを尽くすこの国

 貧富の差に目を瞑りいる飽食の国は見えざる罪犯しいる

 せめて絶食疑似体験をしてみても極限まではとても至れず

 戦後なお弱い人間であり続け せめて令和は清貧に生きむ

f:id:gashuu:20200924134422j:plain