寒冷に身も縮みつつその底に火種残れり人想ふ心
夕映えの千変万化する姿飽かず見てをり時を忘れて
白雲も夕日浴びれば薄赤く染まりて淡い恋心湧く
薄墨の雲も下から参加してこれもうべなう要員とする
刻々に変化してゆく色形人の心の変身に似て
ただ見ているだけでは満足できなくてカメラに収める癖は直らず
それほどの意義感じずにただ記録しておくだけの雲の移りゆき
昔より人の命は生まれ消え雲の姿の変幻に似て
人間の命と雲の移りゆきどれほどの差もなきことに思ふ
茜雲君に捧げむ老いてなほ燃ゆる心を言霊にして