仰げば尊し【10首歌】

 

冒頭より「仰げば尊し」上下師弟関係から歌い始めるそらぞらしさ

「身を立て名をあげ」立身出世を将来の目標とする現実世俗主義

照明用具として縁遠い「蛍の光」「窓の雪」の時代齟齬

「学びの窓」は教室などという現代語よりずっとモダンで佳い

「睦みし」は「師の恩」のみならず「互いに」なのでこれもいい

「いととし」は「大変疾(はや)い」の古語表現で味わい深い

「今こそ分かれめ」の係り結びの効果覿面引き締まった緊張感あり

若者向けの別れ歌は山ほどあって声高に歌えるはずはない

子供たちが未来に夢持ち幸福に暮らしてほしい心歌わん

率直に若者たちの歌があり卒業ソング共に歌わん

 〔参考〕

       仰げば尊し  作詞・作曲 作者不明

  1. 仰げば 尊し 我が師の恩
    おしえの庭にも はや幾年いくとせ
    思えば いとし この年月としつき
    今こそ 別れめ いざさらば
  2. たがいむつみし 日ごろの恩
    わかるるのちにも やよ 忘るな
    身を立て 名をあげ やよ 励めよ
    今こそ 別れめ いざさらば
  3. 朝夕 れにし 学びの窓
    蛍の灯火ともしび 積む白雪しらゆき
    忘るる ぞなき ゆく年月
    今こそ 別れめ いざさらば