狂 歌
たんぽぽよ たんぽんたんぽん 鼓打つごとくタンポポ花咲き始める
レンゲれんげ蓮華草咲くはずなのに 外来種なる擬レンゲ草咲く
ころころとコロナ患者が死んでゆく この頃コロナでころげる世相
第三次世界大戦じわじわと 起きる気配にはらはらとする
ぺこぺこと電話で辞儀に山笑う それに鶏へこへこ歩く
しんしんと肺まで碧き海の旅 しんかんとしてはるか日月
女客ころころ笑う玄関にそろりそろりと恋猫入る
ほろほろと鳴く雉の声りんりんと乳母押せ垂乳根の母
思い出のひりひり胸に傷む時しんなりすがる一縷の光
ぬめぬめとまとわりついた悪縁をかなぐり捨てて晴ればれとなる