さまざまのこと思ひ出す桜かな はせを

さまざまなこと思ひ出す桜かな 『笈日記』   

 この句は松尾芭蕉奥の細道の旅に出る一年前、 故郷である伊賀の国へ帰省した際に詠まれた。故主君蝉吟の子探丸の花見の席に招かれて、この発句を作った。探丸は脇句「春の日はやくふでに暮行」を付けた。