雅澄 10首


           雅澄 10首

   本名は野口雅澄生まれしは日中戦争始まれる年

   筆名は剣持雅澄国学者鹿持雅澄にあやかれるなり

   万葉の歌の全てを色紙に描き多くの人に万葉伝ふ

   俳号は雅舟と申す小四の時先生に名付けられたり

   青海に白帆浮かびて夏真昼この写生句が入選句なり

   我宛の父の遺言冒頭に俳聖芭蕉辞世にふれる

   今芭蕉ひそかに任じ千句みな紙碑にせむと志し居る

 ✳ 旅人と我が名呼ばれんの芭蕉詠父子で彫りし句碑我が庭に

   西行を慕ひし芭蕉更にまた芭蕉を慕へる今芭蕉

   郷土愛大切にせむの思ひより宗鑑伝と俳諧の風景

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                                         たび人と我名よばれむ初しぐれ    芭蕉    『笈の小文