栗の近代俳句(10句)

栗山に在れば落日慌し      高浜虚子

山彦のひとりをさそふ栗拾ひ   飯田蛇笏

美しき栗鼠の歯形や一つ栗    前田普羅

我を信ぜず生栗を歯でむきながら 加藤楸邨

栗食むや若く哀しき背わ曲げて  石田波郷

死の見ゆる日や山中に栗おとす  秋元不死男

朝焼けの染めし青さに栗の毬   長谷川素逝 

木曽仔馬青栗のいが道に出て   森 澄雄

栗落ちて初めて己が影をもつ   高橋馬相

栗をむくいまが晩年かもしれぬ  細川加賀  

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