海行かば 水漬(みづ)く屍(かばね) 山行かば 草生(む)す屍
大王の 辺(へ)にこそ死なめ かへり見は せじと異立(ことだ)て
大夫の 清きその名を 古よ 今の現(をつつ)に
流さへる 祖(おや)の子どもそ 大伴と 佐伯の氏は
人の祖(おや)の 立つる異立て 人の子は 祖の名絶たず
大君に まつろふものと 言ひ継げる 言の官(つかさ)そ
梓弓 手に取り持ちて 剣大刀 腰に取り佩き
朝守り 夕の守りに 大王の 御門の守り
我をおきて また人はあらじ といや立て 思ひし増さる
大王の 御言の幸(さき)の 聞けば貴み(4094)