新連句 雅歌仙(14)「気配立つ」 雅澄・雅博両吟

 雅半歌仙(14) 雅澄・雅博両吟

1 気配立つ春の息吹の白さかな     雅澄

2 待ちかねて咲く今黄水仙       雅博

3 妖精のエコーは見えず声ばかり     澄

4 呼べど答えぬ遠い日の影        博

5 夏汀ゼロを掛ければ皆ゼロに      澄

6    海風吹いてヴィーナス来たり      博

7 さばさばとダンテの熱を遁れ生き    澄

8 雲の階段昇ればねはん         博 

9 恐がらずどこへでも行くチャレンジャー 澄

10   まだまだ広いフロンティアへ     博

11 色変えぬ松もこの世に飽きて居ん     澄 

12  世は移るとも我が身一つは       博

13 急変は好転ならず春嵐          澄

14    赤富士の絵は不意に銭入る        博 

15 業平の殺人事件ミステリー        澄

16    この歌こそは我が心なれ           博

17 骨までも愛し合ってと老教師       澄

18   高校時代のノート取り出し      澄

19 古きもの胸に居れたり終ったり      博

20 疑われないパンドラの匣       澄

21 こんな世は理想は捨てて飯は食う     博

22 よっしゃと言ったかヨシュアの記   澄

23 ユダヤ教時々揺するアナトリア      博

24 トルコ行進曲がレクイエム      澄

25 秋雨に学徒出陣詩集持ち          博

26 聞けわだつみのひめゆりの夏     澄

27 海ゆかばアサギマダラがひらひらり     博

28  気球ならねば撃ち落とされず       澄 

29  スカイツリーかまどの煙にぎわひて         博    

30 今昔の落差すごいいい鴨       澄

31 皆無常尺度は要らぬ湯につかり       博

32   人それぞれに好む美酒         澄

33 ネクターがあればどうする不老不死     博

34   春一番に身心蕩ける          澄

35 初鯛がゆらりと目覚む燧灘         博 

36   目指す天界碇星映ゆ          澄