『硫黄島玉砕 海軍学徒兵慟哭の記録』(朝日文庫)

 36日間の激戦の末、2万人余りの死傷者を出して日本軍は玉砕した。著者多田実は昭和19 年4月硫黄島戦闘に参加、6月被爆して内地転送、一命を拾う(負い目?)それだけにその後のこの島の悲劇に思い入れが深い。 (終章)硫黄島の戦いは終わった。日本陸海軍守備隊は実によく戦ったが、将兵はついに玉砕した。日米出陣学徒のたたかいにも終止符が打たれ、ここに雲集した日本海軍出陣学徒もほとんど全員戦死した。