雅歌仙(20)「駅鈴や」の巻 雅澄 雅博両吟
令和5 年8 月17 日満尾
1 駅鈴や夏八月の町起こし 雅澄
2 青草食んでたてがみ振るう 雅博
3 今日どこまでともじもじする手 澄
4 舫綱引く赤銅の腕 博
5 指呼の間月に向って咆える虎 澄
6 竹林の奥潜む秋風 博
7 聞く人のなく色鳥のけふも又 澄
8 エコーの声がナルシスを呼ぶ 博
9 心中物道行文に聞き惚れて 澄
10 人よりもなお人らし人形 博
11ピカドンは慈母観音の大音声 澄
12 不動の滝は枯れることなし 博
13冬とても上から人遣り水に月 澄
14 凍てる戦をバイカル戦を知るか 博
15第三次冷戦騙る露悪将 澄
16 地球を冷せザ・コールド・ウォー 博
17いまだ見ぬ生花桜胸に咲く 澄
18 夢かと思う桃年の里 博
19 浜に出る裸足の子らの潮ぬるむ 博
20 ユニセフに送る小遣いふところに 澄
21 ビー玉駄菓子ふくるポケット布袋さん 博
22 掃き溜めに鶴 非核日本 澄
23海図なし疑惑渦巻くキンチョール 博
24 左団扇で逆転劇待つ 澄
25達磨さん転ばぬように中道行く 博
26 落ちるまで落ち愚禿愛妻 澄
27 盆燈籠黄泉の国から甦る 博
28 知らぬが佛言わぬが佛 澄
29風静か夜半の三ヶ月青く冴 え 博
30 空耳ならず雁が音渡る 澄
31曼殊沙華又よぎり来る逝った奴 博
32 超軽量化大和魂 澄
33スサノオの敷島の島オロチ来る 博
34 非核家族は理想の社会 澄
35駅鈴に花舞い上る三千句 博
36 庵五百年今も春風 澄