雅歌仙(17)「さざ波に」の巻 雅澄雅博両吟
令和5年5月18日満尾
1 さざ波にメダカ帰るやミズバショウ 雅博
2 旅心湧き時鳥飛来 雅澄
3 麦の穂が色付く夕べ入りの鐘 博
4 雲行き怪し平和憲法 澄
5 ぬかるむも山越えてゆく蟻の群れ 博
6 月の砂漠を移民陸続 澄
7 草原の古里恋し帰れない 博
9 うがみ祭しめ縄青く五月晴 博
10 龍王太鼓慈雨をもたらす 澄
11汗拭いてビールのうまし夜風かな 博
13スズカケにスズメ群れ来て日が暮れて 博
14 今宵は木の実団子汁とか 澄
15五月雨の晴れても寒し熱きお茶 博
16 空に向かって空豆伸びる 澄
17ぬばたまの闇の方行く一人旅 博
18 大海にらみ龍馬像立つ 博
19千歳前貫之帰京愛児亡い 澄
20 揺れる船旅日和あらなむ 博
21津々浦々日本列島怖えつつ 澄
22 行き渡るかな賃上げの波 博
23いたちごっこ止めて種蒔き開拓地 澄
24 モグラ叩きの世界の火の手 博
25虚栄心戒め生きて蝶と化す 澄
26 花占いしバラを一片 博
27天空より久米の仙人墜落す 澄
28 川で洗濯桃流れ来て 博
29犬猿が共に分け合う鬼ヶ島 澄
30 子ヤギを食べて泉にドボン 博
31薔薇の木に薔薇の花咲く不思議なく 澄
32 天に則れど私は捨てられぬ 博
33馬鈴薯の花もよろこぶ馬車の鈴 澄
34 白樺の葉にこぼれる光 博
35月明に飛び立つ鳥は鴛鴦か 澄
36 星とみまがう蛍三つ四つ 博