心穏やかに逝きたい

生前はどうであろうと逝く時は心麗しく逝きたいものを

一番にいけないことは間違っても恨み言など呟かないで

安らかに逝ってほしいと願うにも菩薩の面持ちで安らかにあれ

満洲の凍土に果て父のこと昔話とことにしていて

父逝きて八十年経つ母逝きて五十年経つ歳月茫々

無限なる命は芽生え滅し去るその神秘にしてNonsenseかも

鳥たちと魚たちとの命の差あると思えず人よ驕るな

あなたと遭えてよかったとそれだけ言って逝きたいものを

残し置くほどの遺産はなけれども僅かに残せし歌反古がある

十人はいるか百人は無理我の吐きたる僅かな歌屑