芭蕉の発句「我」に付け句(10句)

我が衣に伏見の桃の雫せよ(芭蕉) 磊落な僧の傘寿の祝(雅舟)

我がためか鶴食み残す芹の飯(〃) 何はともあれ接待有難や(〃)

我が宿は蚊の小さきを馳走かな(〃) 貧しい中にもユーモア忘れず(〃)

わが宿は四角な影を窓の月(〃) 窓小さくて月のはみ出す(〃)

我富めり新年古き米五升(〃) 暮らしは低く志は高く(〃)

我に似るな二つに割れし真桑瓜(〃) 孤寂に耐えて生きる我が性(〃)

我も神の秘蔵真や仰ぐ梅の花(〃) 神秘の扉開けば薫香(〃)

旅寝して我が句を知れや秋の風(〃)体験ありて句に匂ひ立つ(〃)

かげろふの我が肩に立つ紙子かな(〃) 水やはらかに走りゆく音(曽良)

花にうき世我が酒白く飯黒し(〃) 憂き世変じて浮きたる浮世(雅舟)