元日は田毎の日こそ恋しけれ(芭蕉) 姥捨山の棚田の初月(雅舟)
寒菊や粉糠のかかる臼の端(芭蕉) あなたの目指す軽みの極致(雅舟)
香を探る梅に蔵見る軒端かな(芭蕉) 富と風雅の併存不可解(雅舟)
観音のいらか見やりつ花の雲(芭蕉)耳立てて聞く浅草の鐘(雅舟)
啄木も庵は破らず夏木立(芭蕉) 仏頂和尚の余花山居跡(雅舟)
菊鶏頭切り尽しけり御命講(芭蕉) 樒あげれば済ませるお会式(雅舟)
川風や薄柿着たる夕涼み(芭蕉) 何語るらん都の噂(雅舟)
枯枝に烏のとまりたるや秋の暮(芭蕉) 中十の音画賛に弾け(雅舟)
草枕犬も時雨るるか夜の声(芭蕉) 比叡の山の冷ゆる独り寝(雅)