#短歌

この世の花

佳き人に遇ひて別れていつしかも昭和平成過ぎ去らむとす 古義軒

即詠駄作数句

我が家の万葉花「つらつら椿」

厭離穢土10首

厭離穢土10首 目が穢れるような物あり謙虚さのつゆなき看板建てる人あり 生き馬の目を抜く都会に住んでいて帰りし田舎の平穏破壊 生存競争勝ち抜く術を教えたる実利の裏の歪んだ教育 貧者救済この世の歪みに背を向けて勝利することのみを求むか 貪欲の人間…

冬の鳥

夫婦して厳しい冬を生き延びる

野菜よく出来ているのに余命幾ばくも

あなたの家の野菜 こんなに育っているのに 命月旦に迫っている

漂泊の旅心を誘われる白雲

葉書の木「たらよう」

葉書の木「多羅葉(たらよう)」

蘇鉄の花・実

余命幾許もなき人の屋敷の蘇鉄花盛りなり 珍しき蘇鉄の花実に巡り会ふ

花鳥風月三昧に生きる

人間の賢しらぶりに背を向けて花鳥風月三昧に生きる 古義軒

雨に濡れ咲く庭前の花

お出かけの前に咲きたる庭の花辞世の歌として詠み遺す 古義軒

黄水仙

水に映る己に見惚れ投水せし自己陶酔の水仙の花

曼荼羅寺「西行笠懸桜・昼寝石」

西行伝説歌「月見よと芋の子どもの」

月見よと芋の子どもの寝入りしを起し来たが何か苦しき 善通寺吉原 乳薬師堂前

水茎の岡「西行庵」

中河与一歌碑 「西行がいほりの跡に希典の植えしホルトの繁り居り今」 西行『山家集』歌碑 「曇りなき山にて海の月見れば島ぞ氷の絶え間なりける」

出釈迦寺の歌碑・句碑

「山また山を観る」 種田山頭火句碑

西行の歌碑(三野津)

香川県三豊市三野町吉津 『山家集』所収 西行の歌 敷き渡す月の氷を疑ひてひびの手まはる味鴨の群鳥

愚かな国 愚かな民 10首

愚かな国 愚かな民 10首 権力を握れば人間すべからく虐げる癖つく不可思議さ 国境を争う世界日本の古来変わらぬ愚劣を憂う 小島一つ争うならば爆破させ何もない海に沈めてしまうぞ 神様が国境作れと教えしや塀を作ると言う愚昧の国柄 元々はどこの国などあり…

瀬戸の渚はかくも穏やか

人知れず彷徨ひ来る燧灘 瀬戸の渚はかくも穏やか 雅人

干拓地の野草色づく

干拓地野草彩り様々に奏でる早春譜の確かなり 雅子

オリーブの熟実に寄せて

小豆島命のごとく愛しみしたった一人も手に入れられず 雅人

古義庵より予讃線電車を撮る

方丈の庵拙宅より見える予讃線なる一兩電車 雅人

残りタチバナに寄せて万葉歌

『万葉集』巻二125 橘の蔭履む路の八衢に物をぞ思ふ妹に逢はずして 三方沙弥 橘の蔭踏む道の八衢に物をぞ思ふ妹に逢はずして

空に雲 心に花

春寒に心溶けねど我が心己自身の花咲かせん 雅人

この花にちなむ万葉歌は?

海藻、黒髪のごとく打ち寄せて

有明の渚に海藻打ち寄せて さながら女人の黒髪のごとく 古義軒

愚昧政治10首

愚昧政治10首 国と国ともども自国の分捕りを特権のごとくゴリ押しをする 国々の境争いなき例は周囲にもなく他所にもなくて 談判の決裂初めから見えて米朝会談得し成果なし 隣接の国の境で争わぬ良き関係のなきこと続く 自国のみの利益に固執する政治戦争とい…

父満洲に逝きて七十余年

満洲に第二の故郷築かんとして挫折せし父遥かなり 雅人

どんな一日10首

どんな一日10首 深夜便アンカーの祈り種々あれどあんまり個性を出さないでほしい 「おだやかな一日」であれと言う人あり波風立ちて何が悪いか 「すばらしい出会い」を祈る人あれどそれがなくてもいいではないか 「ふれ合い」を言う人あれどセクハラを訴えら…

複眼思考10首

複眼思考10首 蜻蛉の目玉が欲しい一眼レフそれもよけれど多視界望む 自らのやり方だけを押し付けてそれで人様付いて来ますか 自分に固執する時あれどひらリ身を翻す術巧みに使わん 自分にないものを求めて一緒になるその鷹揚さ二人に欲しい 仲間いるいないよ…