歌仙・西行

白峰と歌の求道者

『西行』目崎徳衛 『西行の思想史的研究』の著者が、一般読者のために平易に興味深く紹介した伝記である。佐藤義清の公私生活、遁世の理由、数寄の種々相、仏道修行者として(讃岐への修行を特別視)、乱世の晩年、弘川寺の入滅、と実証的記述に心がけてはい…

西行「富士山」の歌

あづまの方へ修行し侍りけるに、富士の山を見て 風になびく富士の煙の空にきえて行方も知らぬ我が思ひかな (『山家集』) 思ひきや富士の高嶺に一夜ねて雲の上なる月を見むとは (『源平盛衰記』) 清見潟月すむ夜半のうき雲は富士の高嶺の烟なりけ (『山…

吉津・西行の碑

西行上人歌碑 三豊市吉津福祉センター 志きわたす月の氷をうたがひてひびのてまはる味のむら鳥 川田順書 『山家集』より

西行が讃岐で作った歌

坂出・白峰で… 讃岐に詣でて松山の津と申す所に、院おはしましけむ御あとたづねけれど、かたもなかりければ 松山の浪に流れて来し船のやがてむなしくなりにけるかな 松山の浪のけしきは変わらじをかたなく君はなりましにけり 善通寺で… 同じ国に、大師のおは…