西行が讃岐で作った歌

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      坂出・白峰で…
 
 讃岐に詣でて松山の津と申す所に、院おはしましけむ御あとたづねけれど、かたもなかりければ

    松山の浪に流れて来し船のやがてむなしくなりにけるかな  
 
    松山の浪のけしきは変わらじをかたなく君はなりましにけり
 
      善通寺で…

 同じ国に、大師のおはしましける御あたりの山に、庵結びてすみけるに、月いと明かくて、海のかた曇りなく見えければ

   くもりなき山にて海の月みれば島ぞ氷の絶え間なりける
   
 住みけるままに、庵いとあはれにおぼえて

   今よりは厭はじ命あればこそかかるすまひのあはれをもしれ
                                          西行山家集』より