鎮魂歴史遺産【戦没者墓碑】その碑(いしぶみ)との対話を

内地における戦時中の苦労など、大したことがありません。戦後もなお生き延びて平和ボケになっている人の食糧難を語ったとて何のことはありません。また、戦火をくぐり生還した人がどれほどの真実を語り遺したでしょうか。我々令和人が戦場の死闘を知ることは不可能に近いです。死地戦場の遺骨収集に奔走しても事既に遅しです。せめて墓碑に刻まれた年月日・行年・場所からどのように、どんな思いで死んでいったか、想像したいものです。はるかに遠くをただ想像するだけでいいのです。見捨てないでください。墓じまいなどしないでください。軍人墓地にそのまま置いたままにしてくれたら、やがて遺族はになくなっても、誰かが拝んでくれるでしょう。眺めてくれるでしょう。

だれが、いつ、どこで、非業の死を遂げたのか、偲んでくれるにちがいありません。

今、生きている人など大したありません。真の戦争体験もなく生きている甘い人間です。今コロナ禍緊迫の時代こそ、戦う相手は人間同士ではないこと、誤まれる戦争犠牲者の悲憤慷慨を聞き入れる絶好の時です。生きた人間と密着せず、死者の霊と向かい合いたいものです。もちろん私は毎日、〔鎮魂の旅〕を続けています。

 

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