今日を限りの命ならば狂歌10首

わが命今日を限りの者ならば書きさしの本一気にまとめむ

我が遺産いくほどもなし兄弟の争うならばそれもよかろう

遺言をあれほど書いておくように言った教え子「それみたことか」と

負の遺産次々出てきて相続放棄現実感となるやもしれず

いつまでも生きられるとは思わねど今日を限りの命なりけり

生前葬など馬鹿げたる世迷事とは思いつつ手遅れとなる

何事も遺言らしきこと言わずそれでも歌数無数書きおけり

三島太宰いずれの自死を選ぶにも荒唐無稽の範疇にあり

恨むなく潔き最期成し遂げて従容とゆく文したためて

こんな甘い言弄ぶ者にして事の成就はつゆありえない