にほひ(10首歌)

   匂ひ歌(10首)

「にほひやか」「にほひたつ」など佳い言葉大和言葉は馥郁として

「臭」と書けば悪臭「匂」とならば芳香の分野であらむ

「色」「響き」視聴覚なるものあれど「匂ひ」はもっと気配や風情

今時は耳目喜ばすもの多し微妙な含蓄ある色香ほし

ジャスミン麝香微妙な芳香伝へられずただ本物に吸い寄せられむ

いろは歌「色は匂へど」視覚にて照り映えること今とは違ふ

「匂ひ」とは芭蕉連句の付け方なり何とも言へない展開の妙

視聴覚ばかりの刺激マスコミもジャーナリストもつまらんと思ふ

食べ物も草花もまた佳き匂ひ伝達手段あればと妄想 

なんとなく明日はよいことあるごとき気のして人様責めずに眠る

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