雅歌仙巻13「すずしろの」の巻 雅澄 雅博両吟

雅歌仙巻13「すずしろの」の巻  雅澄 雅博両吟 

         令和4 年1 月21 日 満尾

1 すずしろの水がしたたる冬の朝   雅博

2 暦の上で改まる年         雅澄

3 サッカーをする子らの声若やぎて   博

4 蛸の糸切れ虚空残さる        澄

5 鳶群れて柱となるや青の天      博

6 因幡の白兎丸裸となる        澄

7 寒風がガマの穂揺らす船入り江    博

8 北前船日本海漕ぐ         澄

9 粟島は世界へつなぐ大碇       博

10  漂着物の展示羽ばたく        澄

11 黒潮は千里を越えてゆらりゆら      博

12   ころりコロナが世界席捲       澄

13 松の内明けるまで待つ政         博

14    似非休戦もあたふた露悪         澄

15  お松っあん寝た振り上手茶釜炊く    博

16   行方不明の恋しや狸公        澄

17無意識が本当の心導師言う      博

18 この石庭は賽河原か        博

19水仙は八重より一重孤に徹す     雅

20 実朝の歌読み月仰ぐ        博

21薫風の触れ合う刻を遁しけり     雅

22 緑陰求め日時計むとなる      博

23安閑と活断層の真上人        雅

24 天の計精妙の技          博

25町角に罪を許せの誓紙あり      雅

26 「告白」の意味今は「好きです」  博

27ほとほとと君かと思い夢覚める    雅

28 しんしん積れ真夜中の雪      博

29己が悪業埋め尽して雄飛せむ     雅

30 イカロスの空エーゲ波高し     博

31雌伏してルネッサンスの野心あり   雅

32 追い風あらばはた向い風      博

33紅薇夏来たりなば栄を過ぐ      雅

34 すずろに会ひてまどひたる朝    博

35行き先を語らず問わず夢中人     雅

36 雪踏み分けてみやび訪ねむ     博 rr