『俳諧の風景』剣持雅澄著

 
 第16回香川菊池寛賞受賞作品。初出『小説無帽第11号』(1980年刊) 100枚の中編小説。受賞後、高松市発行『文化高松第3号』に掲載される。単行本として2013年私家版発行。
 〔あらすじ〕 時は応仁の乱の室町末期、酒色に溺れた足利義尚将軍が急逝陣没した史実がある。その最期に侍っていた若菜という女性を仮想して物語を始める。その際どい取り持ちをしていたのは近侍範重。主君の薄命・無常を観じ、出家して、俳諧の世界に入る。その人こそ史上に周知の俳祖山崎宗鑑。宗祇・宗長のような本連歌と違って、諧謔味のある俳諧連歌を得意とする俳諧連歌師である。尼崎、京阪の山崎に住んだ後、一夜庵(香川県観音寺市)に晩年を過ごす。宗鑑の実像はほとんど伝わっていない。架空の人物若菜母子が宗鑑に再会に訪れ、しみじみと人生と女のしあわせを感じる。乱世を深刻ぶるのではなく、諧謔味を効かせて明るく生きる俳諧的人生をすすめる。
 
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