半歌仙 讃岐三吟「初雪」の巻

  半歌仙  讃岐三吟「初雪」の巻 〔バーチャル連句

初雪の我が庵に咲く笑顔かな 宗鑑

 草鞋並べて嘶く春馬    芭蕉

野末まで訪ぬる蝶の羽折れて 西行

 鶉子を抱く深草の里     鑑

月袖に 鼓を鳴らす少麻呂   蕉

 汝が師貞徳手折る桃花    行

池之尻田螺を捕りて放ちやる  鑑

 ただ泣きに泣く寒空配所   蕉

伊予訛り寝物語に廓事     行

 縁妨げの恨みは言はじ    鑑

痛む廱慰められし女はや    蕉

 戦乱の世を幾度経たる    行

平成の謡一曲も五十年     鑑

 月影さやか牡丹燈籠     蕉

篝火で延縄業や燧灘      行

 南海道をひたすらに行く   鑑

はりこむは嫁入り道具伊予讃岐 蕉

 童女かわゆき春の花道    行

   剣持雅澄著『創作 芭蕉来讃夢』より