芭蕉の「花・月」の句に付け句

 松尾芭蕉×剣持雅舟著『芭蕉との対話』より

月か花か問へど四睡が鼾哉 芭蕉  知らん顔する隠者人虎 雅舟

月花の愚に針立てん寒の入り 芭蕉  現を抜かす我が鍼治療 雅舟

月華の是やまことのあるじ達 芭蕉  宗鑑守武貞徳三翁 雅舟

月花もなくて酒のむ独り哉 芭蕉  雰囲気のいい愛酒家ぞこれ 雅舟

春もやや気色ととのふ月と梅 芭蕉  画賛にするに格好の材 雅舟

三日月に地は朧なり蕎麦の花 芭蕉  縹渺とした月下の趣 雅舟

名月の花かと見えて綿畠 芭蕉  広がる海のごとき白さよ 雅舟

隠れ家や月と菊とに田三反 芭蕉  味噌八斗に小者がひとり 雅舟

桜より松は二木を三月越し 芭蕉  三木と答へむ武隈の松 雅舟