2012-02-24 『源氏物語』(鈴虫→松虫)(松虫→鈴虫) 源氏物語 #その他文学 平安朝『源氏物語』に出てくる「松虫⇔鈴虫」反対になってくるのは、 周知の通りで、こと新しいものではない。 「鈴虫は心やすく、いまめいたるこそらうたけれ」(38帖鈴虫) (鈴虫は親しみがあって陽気に鳴くのがかわいらしいものである) 女三宮「おほかたの秋をばうしと知りにしをふり棄てがたきすず虫の声」 この「鈴虫」は今の松虫でチンチロリン、チンチロリンと可憐にはなやかに鳴く。 一方の松虫は鈴虫のことで、リン、リン、リン、リーンと悲しげに鳴く。 御息所「おほかたの秋の別れも悲しきに鳴く音な添へそ野辺の松虫」(10帖賢木)