源氏物語

今宵「薄雲」の情緒

早春「薄雲」の情緒

『源氏物語』の「薄雲」の巻

因果はめぐる運命の恐ろしさ

光源氏の宿世

これだけですまない「宿世」やがてまた己が妻を寝取られまして

ひょんなことで

ひょんなことで人生狂う物語 猫のいたずら源氏の悲劇

猫の鳴き声「ねうねう」聞きなし

柞田川尻カモの群れを撮る。

人遠ざけ川の半ばの鴨天使 雅舟 群れなさず生く孤高の白鷺 雅舟

パンジー三色菫

パンジさん わたしのことを わすれないで 雅子

朝はどこから来るかしら

ふと思う 朝はどこから来るかしら

『源氏物語』(鈴虫→松虫)(松虫→鈴虫)

平安朝『源氏物語』に出てくる「松虫⇔鈴虫」反対になってくるのは、 周知の通りで、こと新しいものではない。 「鈴虫は心やすく、いまめいたるこそらうたけれ」(38帖鈴虫) (鈴虫は親しみがあって陽気に鳴くのがかわいらしいものである) 女三宮「おほかたの…

六条御息所を訪う光源氏

上図より下図の方が、本文より光源氏の積極性が描かれている。 賢木 (源氏23歳9月~25歳夏) 六条御息所は自らのの生霊のおそろしさにおびえ、娘が伊勢の斎宮となったのを機に共に下ることを決意し、嵯峨野の野宮にこもって潔斎する。秋の終り、源氏は彼女…

須磨

源氏で最も魅力ある六条御息所

女の性(さが)を最も象徴的に具現化して、魅力ある登場人物は、 紛れもなく、六条御息所であることは否定できまい。「葵」~「賢木」の巻に描出された彼女をビジュアルに示そう。 起 承 転 能の「野宮」での六条御息所 結 六条御息所を嵯峨野野宮に訪う光源…

源氏物語「賢木」の巻

二月の剣持源氏物語講座は「賢木」の巻…朗読は幸田弘子さんです。 光源氏 六条御息所 賢木(榊)を介して 歌の贈答 心に迫る暁の別れ

左近の桜

源氏物語「花宴」は紫宸殿(南殿)の前、左近の桜のもとに催される。 左近の桜は、紫宸殿正面の階段から見て左にあった桜の樹。右近の橘に相対したものである。その名称は、殿上で儀式のあるときこの桜の方に左近衛の陣を敷いたことにより、南殿の桜とも言う…

紫宸殿

源氏物語の作品中「紫宸殿」に登場する人物 ①東宮(後の朱雀帝)の元服する時(桐壷の巻) ②夕顔が物の怪に襲われた時、かつて゜ある大臣が鬼に襲われた話を思い出す。 ③光源氏が華やかな舞姿を披露する(花宴の巻) ④この時のことを懐かしむ(須磨の巻) 源氏物語…

受講生に告ぐ

『万葉集』『源氏物語』受講生100人に告ぐ。 軽佻浮薄な世の中を象徴するように古典の「現代語訳」が出回っていますが、 ご承知のように剣持古典講座では「原文尊重」を終始一貫、つらぬいていますね。 万葉集は西本願寺本を底本として学習しているし、源氏…

来週の源氏物語講座は「花宴」

第八帖 花宴 如月に紫宸殿で催された桜花の宴で、光源氏は頭中将らと共に漢詩を作り舞を披露した。宴の後、朧月夜に誘われふと入り込んだ弘徽殿で、源氏は若い姫君と出逢い契りを交わす。素性も知らぬままに扇を取り交わして別れた姫君こそ、東宮の入内が決…

万葉集と源氏物語をつなぐ花の縁

今月の源氏物語は第八帖「花宴」の巻、万葉集は「正月の花の民俗学」の予定。 両者の共通点は何か、模索中である。平安朝における花は桜であるが、万葉時代は、そして梅が中心で、正月の予祝には松竹梅となる。 万葉の花「梅」 (「桜」より多く詠まれている…

今日の大野原『源氏物語』講座は「紅葉賀」

第七帖 [紅葉賀]冒頭部分 世間は朱雀院で開かれる紅葉賀に向けての準備でかまびすしい。桐壺帝は最愛の藤壺が懐妊した喜びに酔いしれ、一の院の五十歳の誕生日の式典という慶事をより盛大なものにしようという意向を示しているため、臣下たちも舞楽の準備で…

明日は「末摘花」

5月「桐壷」 6月「帚木」 7月「空蝉」 8月「夕顔」 9月「若紫」を終えて 10月「末摘花」の講読となりました。 常陸宮の姫君が廃邸にひっそりと暮しているという噂に心惹かれて行ったのに、 この醜女に腰を抜かしそうになる、光源氏の優しさをくみ取る…

明日の大野原源氏は「空蝉」の巻

7月大野原の古典文学講座は『源氏物語』空蝉の巻を講読する。 幸田弘子の模範朗読鑑賞と口語訳(テキスト付属、摘訳参照) 「空蝉」のあらすじ 光源氏17歳夏の話。 空蝉を忘れられない源氏は、彼女のつれないあしらいにもかえって思いが募り、再び紀伊守邸へ…

『源氏物語』帚木の巻に見る帚木幻想

与謝野晶子訳『源氏物語』帚木の巻(末尾) 光源氏が空蝉と交渉をもつところ… 歌の贈答に「帚木(ははきぎ)」が詠まれる。 「こんなことをして、姉さん。どんなに私が無力な子供だと思われるでしょう」 もう泣き出しそうになっている。 「なぜおまえは子供のく…

円地源氏

『なまみこ物語・源氏物語私見』円地文子 『源氏物語』の現代語訳をしている著者の「源氏物語私見」が収載されている。「空蝉の顔かたち」「夕顔と遊女性」「紫の上のヒロイン性」等平易に書かれているが、「六条御息所考」は綿密に考察されている。一般に、…

宣長と源氏 二

『恋と女の日本文学』丸谷才一 著者の評論「恋と日本文学と本居宣長」で次のように言っている。失恋の経験が宣長に『源氏物語』を読み取る目を与えた。この物語は淫乱の書ではない。不倫を教え、あるいはそれを訓戒する書でもない。むしろ人生の最大の出来事…

宣長と源氏 一

中公版日本の名著『本居宣長』 宣長の「源氏物語玉の小櫛」は「もののあわれ」論を唱えた評論として知られている。本書は西郷信綱の現代語訳として掲載されている。儒教・仏教的観点から好色を戒めるのではなく、恋する人の姿や心情を書いたもので、そこにも…

道長が持ち去った草稿

『藤原道長』山中裕 私は藤原道長にはあまり触手を惹かれない。ただ、中古文学には欠かせない。 道長の人間性・人柄が次のようにまとめられている。 「道長は決してあせらず、強硬なこともせず、人の気持ちを十分に考慮に入れながら事を運んでいく。ここに平…

本居宣長著『紫文要領』

『紫文要領』は本居宣長(1730~1801)の『源氏物語』注釈書。 目次 (巻上) 作者の事 述作由来の事 述作時代の事 作者系譜の事 紫式部と称する事 准拠の事 題号の事 雑々の論 註釈の事 (巻下) 大意の事 歌人此の物語を見る心ばへの事 「ただ人情の有りのまま…

本居宣長「もののあはれ」論

本居宣長著『排蘆小船・石上私淑言』(岩波文庫) 宣長二つの歌論。生涯公表されることなく,箱底に秘めて置かれていたという。当世和歌の現状に対して、「歌とは何か」を問うのが『排蘆小船』。心に思うことを述べたのが『石上私淑言』、 それは「ものののあ…

大野原古典講座は『源氏物語』

大野原古典講座は、今年度から12年目になります。 『源氏物語』五十四帖の講読を毎月一帖ずつ五年半かけて行う予定です。 5月21日(土) 9時30分~11時30分 第一回は桐壷の巻です。 幸田弘子の模範朗読を聴いた後、現代語訳を試み、難語句の説明をします。