芭蕉 新年の句 二八句
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① 春立つや新年古き米五升
貞享元年
② 元日や思へばさびし秋の暮
天和三年
③ 元日は田毎の日こそ恋しけれ
元禄二年
④ 於春々大なる哉春と云々
延宝八年
⑤ 庭訓の往来誰が文庫より今朝の春
延宝六年
⑥ 誰やらが形に似たり今朝の春
貞享四年
⑦ 天秤や京江戸かけて千代の春
延宝四年
⑧ 二日にもぬかりはせじな花の春
貞享五年
⑨ 薦を着て誰人います花の春
元禄三年
⑩ 疑ふな潮の花も浦の春
元禄二年
⑪ 甲比丹もつくばはせけり君が春
延宝六年
⑫ 発句なり松尾桃青宿の春
延宝七年
⑬ 蓬莱に聞かばや伊勢の初便
元禄七年
⑭ 門松やおもへば一夜三十年
延宝五年
⑮ 幾霜に心ばせをの松飾り
貞享三年
⑯ 叡慮にて賑ふ民の庭竈
元禄元年
⑰ 大津絵の筆の始めは何仏
元禄四年
⑱ 年は人にとらせていつも若夷
寛文六年
⑲ 山里は万歳遅し梅の花
元禄四年
⑳ 餅花やかざしにさせる嫁が君
延宝年間
②① 子の日しに都へ行かん友もがな
貞享二年
②② 餅を夢に折り結ぶ歯朶の草枕
元和元年
②③ 誰が聟ぞ歯朶に餅負ふ丑の年
貞享二年
②④ 蒟蒻にけふは売り勝つ若菜かな
元禄六年
②⑤ 古畑や薺摘み行く男ども
貞享四年
②⑥ 四方に打つ薺はしどろもどろかな
貞享年間
②⑦ 一年に一度摘まるる薺かな
元禄七年
②⑧ 年々や猿に着せたる猿の面
元禄六年