‐母校先輩紹介〔森誓夫〕

 

     ~文武両道~    先輩 森誓夫  昭和三年三豊中学校卒業

    昭和九年商工省(通産省)に入り、軽工業局長、公益事業局長などを歴任した。その後、日本アビオニクス()常務取締役、共同石油()代表取締役社長、石油資源開発()代表取締役社長等を歴任し、実業界でも活躍した。昭和六十一年勲二等瑞宝章、平成十三年逝去。享年八九歳。三中時代の同級生には、大平正芳元総理、京大教授佐伯富、医師松岡健雄

 短歌を嗜み「アララギ」に所属、比島戦線に動員された折の短歌は歌集『南溟』にまとめられ、後に『昭和萬葉集講談社刊に次の六首が載せられている。

夜光虫船の舷近くまさやかに流らう見ればはる毛苦もなし

わが友の遺骨を持てり還る日のありと思へるわれならなくに

餓死したる友の袋に一合の米包まれてありたるあわれ

服のまま白骨は寝ていたりけり流れを呑みてここに果てけむ

屍の匂ひ厭はずなりぬこの山に飢え果つる日の近づきしかば

東に直に航くなり船尾なる水平背に低き夕焼(帰還途次)

 【座右の銘

①無道人之短、②無説己之長。③施人慎勿念、④受施慎勿忘。➄世譽不足慕、