永井隆は博士は心から平和願い、平和を訴えた人である。
平和は、人を愛することから始まるという考えを持ち、まず自分から身をもって実行するように努力した。
あと三年の命と宣告ほどの白血病を背負い、さらには原爆の被害にあいながら、医師としてみんなの命を救うために力を尽くした。
「戦争は人類の自殺行為にしかならないのだ。原子野に泣く浦上人は世界に向かって叫ぶ。戦争をやめよ。ただ愛の掟に従って相互に協商せよ。浦上人は灰の中に伏して神に祈る。ねがわくは、この浦上をして世界最後の原子野たらしめたまえと」(『長崎の鐘』)この平和への熱い願いは、静かに強く人々に受け容れられていった。