不思議な出会い=奇遇

 芭蕉の早苗塚碑前に現れた人⋯⋯高瀬高校昭和40年の教え子でした。半世紀近くの時の流れがあります。そしてそのお子様は観一平成元年の担任生徒でした。三つ子ちゃんが二十歳になっているようです。

 同日生まれの三姉妹は、日・月・星に因んだ名前。なんとRomanticな名前だろう。結婚相手も三つ子で、同時に結婚してくれたらどんなにいいだろう。一人の男性を好きになったら、ライバルとなりうる。お婆ちゃんはそんな心配をしている。

「早苗とる手もとやむかししのぶ摺り」この句は芭蕉奥の細道の途次福島で詠んだ句。ここ香川県には無縁なのですが、観音寺在住小西帯河の所持していたものを240年前句碑にして今ここにあるものです。

 その人は別に芭蕉の俳句に関心があるわけではなかったのですが、なんとなくここに現れ出たのです。全く不思議な出会いでした。両者は二重に師弟関係にあった奇遇を驚きもし、心の通じ合う喜悦を感じた次第です。