元禄五年、許六亭での連句興行の詞書で「宗鑑の一夜庵」が暗示されている。
「洗足に」の巻 (詞書)一日とまりし宗鑑が客、煎茶一斗米五升、下戸は亭主の仕合なるべし。⋯⋯ここから推察できることは、「一夜泊りは下々の下の客」を客への飲食接待を迷惑としてみなされている。ちなみに、第一、二、三句は次のように展開する。
(発句)洗足に客と名の付く寒さかな 洒堂 (脇)綿館双ぶ冬向きの里 許六 (第三)鷦鷯(ミソサザイ)階子の鉤を伝ひ来て 芭蕉⋯芭蕉は三番手に登場するが、芭蕉捌の連句である。出だしから亭主の客もてなしに迫っていて、興味深い三ッものである。