芭蕉の名言10項

句調はずんば舌頭に千転せよ。

物の見えたる光、いまだ心に消えざる中にいひとむべし。

発句はただ金を打ち延べたる様に作すべし。

発句は取り合はせ物と知るべし。

心の作はよし。詞の作は好むべからず。

心に風雅あるもの、ひとたび口にいでずといふ事なし。

俳諧といへども風雅の一筋なれば、姿かたちいやしく作りなすべからず。

多年俳諧好きたる人より、外の芸に達したる人、はやく俳諧に入る。

俳諧は吟呻の間の楽しみなり。これを紙に写す時は、反古に同じ。

季節の一つも探り出だしたらんは、後世によき賜。