句調はずんば舌頭に千転せよ。
物の見えたる光、いまだ心に消えざる中にいひとむべし。
発句はただ金を打ち延べたる様に作すべし。
発句は取り合はせ物と知るべし。
心の作はよし。詞の作は好むべからず。
心に風雅あるもの、ひとたび口にいでずといふ事なし。
俳諧といへども風雅の一筋なれば、姿かたちいやしく作りなすべからず。
多年俳諧好きたる人より、外の芸に達したる人、はやく俳諧に入る。
俳諧は吟呻の間の楽しみなり。これを紙に写す時は、反古に同じ。
季節の一つも探り出だしたらんは、後世によき賜。