忘れ草、忘れな草

忘却とは忘れ去ることなり 忘れえずして忘却を誓う心の悲しさよ

忘れ草 勿忘草のいずれぞや 忘れたい忘れられない 運命の人あり

万葉の忘れ草とは萱草なり 忘れ貝とは片割れの貝

忘れ雪 忘れ霜あり 更にまた忘れ扇のあること忘れて

忘れ花とはその時期が過ぎても再び返り咲く花

忘れ形見連れ合いの子に過ぎないか愛児とは言え愛人の子ども

健忘症 健康のこと忘れたのでなく きれいさっぱり忘れていたの

忘我の境他事を忘れて熱中すそんな時代も遠く霞んで

忘れ物驚くほど多くある遺骨なんかもゴマンとあるらし

気にかかり 不忘寝食 寝る時も食べ時にも忘れられない

ワスレナグサ(上)

忘れ草=萱草(下)