1 手枕にてや聞きわたるらん
2 嫁入りのさ夜ふけがたのほととぎす
3 四国は海の中にこそあれ
4 漕ぎ出だす舟に俵を八つ積みて
5 あつきたなしと太刀をこそ抜け
6 もののふの東司のしりに逃げ入りて
7 島がくれ行く人をこそ切れ
8 ほのぼのとあかしりざやの太刀抜きて
9 寒き夜はこそ人丸になれ
10 うす衾引きかぶりたるかきのもと
11 奈良の都も無力しにけり
12 しろがねの目貫の太刀も質におき
13 仏も喧嘩するとこそ聞け
14 釈迦はやり弥陀は利剣を抜きつれて
15 山に千年海に千年
16 ふぐりまでうしほに映る峯の松
17 宇治橋にしばしたたずむ大ふぐり
18 芭蕉の葉にてまきの島人
19 人間万事いつはれる中
20 塞翁が馬借らせては訪ひも来ず
伝 宗鑑自刻像 興昌寺蔵 宗鑑忌(旧10月2日) 芭蕉忌(旧10月12日)