《春の歌》
①新しき年の始の初春のけふ降る雪のいや重け吉事 大伴家持(巻20ー4516)
②巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を 坂門人足(巻1ー54)
④石走る垂水むの上のさ蕨の萌え出づる春になりにけるかも 志貴皇子(巻8ー1418)
《夏の歌》
⑤あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る 額田王(巻1ー20)
⑥紅の濃染めの衣色深く染めにしかばか忘れかねつる (巻11ー2624)
⑦高円の野辺のかほ花面影に見えつつ妹は忘れかねつも 大伴家持(巻8ー1630)
⑧杜若衣に摺りつけ丈夫の着襲ひ狩する月は来にけり 大伴家持(巻17ー3921)
《秋の歌》
⑨道の辺の尾花がしたの思ひ草今さらさらに何をか思はむ (巻10ー2270)
⑩道の辺のいちしの花のいちしろく人皆知りぬわが恋妻は 柿本人麿(巻11ー2840)
⑪月草に衣は摺らむ朝露にぬれての後は移ろひぬとも (巻7ー1351)
⑫朝顔は朝露負ひて咲くといへど夕影にこそ咲きまさりけれ (巻10ー2104)
《冬・無季の歌》
⑭この雪の消残る時にいざ行かな山橘の実の照るも見む 大伴家持(巻19ー4226)
⑮田児の浦ゆうち出てみれば真白にぞ不尽の高嶺に雪は降りける 山部赤人(巻3ー318)
⑯一つ松幾代か経ぬる吹く風の音の清きは年深みかも 市原王(巻6ー1042)
⑱時時の花は咲けども何すれそ母とふ花の咲き出来ずけむ 防人(巻20ー4324)
☆11月27日の琴弾荘でのNTTOB会講演の後で、100枚の色紙を来られた方に差し上げます。
50人来れば、お一人ニ枚ずつになります。