『万葉集』花を詠んだ歌十首
紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻故にあれ恋ひめやも(巻一―二一)大海人皇子
巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はむ巨勢の春野を(巻一―五四)坂門人足
山吹の立ちよそひたる山清水汲みに行かめど道の知らなく(巻二―一五八)高市皇子
妻もあらば摘みて食げまし沙弥の山野の上のうはぎ過ぎにけらずや(巻二―二二一》人麿
忘れ草わが紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため(巻三―三三四)大伴旅人
み熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へど直に逢はぬかも(巻四―四九六)柿本人麻呂
石走る垂水の上のさ蕨の萌え出づる春になりにけるかも(巻八―一一四一八)志貴皇子
春の野にすみれ摘みにと来しわれそ野をなつかしみ一夜寝にける(巻八―一四二四)赤人
春さればまづさきくさの幸くあらば後にも逢はむな恋ひそ吾妹(巻十―一八九五)人麻呂
もののふの八十娘子らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花(巻十九―四一四三)大伴家持
歌と絵と対応していない。その上、不鮮明なる映像(その名ほぼ見当はつくか)