准看護学生に相応しいと思われる教養国語(文学)案内書を選んでみると
(1)文学のなかの看護 (第1集) 清水昭美著(医学書院刊)
文学作品を素材に、看護のあり方を考え問いかけたユニークな看護論として話題を集めた第1集。ストーリーの展開や人物の言動を通して看護者の姿勢を考えさせる書。
誰のための安楽死か…森鴎外『高瀬舟』、死者からのお弁当…田中清子他『原爆の子』、エゴイズムと愛の間に…夏目漱石『こころ』など
(2)文学のなかの看護(第2集)
文学作品を素材に、看護のあり方を考え問いかけたユニークな看護論として話題を集めた本の第2集。人間の「生老病死」をテーマに、幅広い分野の作品を取り上げ、〈看護の視点〉から鋭く問題提起する。
かけがえのない存在…野坂昭如『火垂の墓』、心安らぐ援助…有島武郎『一房のぶどう』、生きつづける病人…北条民雄『いのちの初夜』など
(3)『文学に出てくる死…医療系の若い人のために』
設楽哲也著(日本図書刊行会刊)
子捨ての話 親か子か 来世 神仏に祈る 殉死と主従関係自殺幇助 心中 鎮魂 冥福 人間形成と死
(4)『生きつづけるということ 文学にみる病と老い』
長井苑子著 (メディカルレビュー社刊)
内容(「BOOK」データベースより) 男女の年月を経た交流の中で、「理解」や「愛情」というものが育ってほしいという希望も強くある。「言葉」「性愛」「老年期の快楽」といった課題からすると、言葉を欲しない男たちも、言葉がむしろ多すぎる女たちも、相手を想像することの力と、そこに根ざす快楽のようなものがあればいいのにとも思う。森鴎外「高瀬舟」、アーネスト・ヘミングウェイ「老人と海」、遠藤周作「深い河」など国内外24作品に描かれた『言葉』から真の『生きる』を探る。
老いによる死とは、闘いではなさそうである-。「病いと老い」誰もが逃げられない永遠のテーマをめぐって、国際的にも著名な2人の医師が文学を探訪する。
老いによる死とは、闘いではなさそうである-。「病いと老い」誰もが逃げられない永遠のテーマをめぐって、国際的にも著名な2人の医師が文学を探訪する。
(5)『続 生きつづけるということ ―文学にみる病いと老い― 』
「養生訓」 貝原益軒 「仰臥漫録」 正岡子規 「とってもながーいお医者さんの童話」 カレル・チャペック 「風立ちぬ」 堀 辰雄 「この子を残して」 永井 隆
「流れる星は生きている」 藤原てい 「本日休診」 井伏鱒二 「赤ひげ診療譚」
山本周五郎 「隠喩としての病い」 スーザン・ソンタグ 「認められぬ病 現代医療への根源的問い」柳澤桂子 など
「養生訓」 貝原益軒 「仰臥漫録」 正岡子規 「とってもながーいお医者さんの童話」 カレル・チャペック 「風立ちぬ」 堀 辰雄 「この子を残して」 永井 隆
「流れる星は生きている」 藤原てい 「本日休診」 井伏鱒二 「赤ひげ診療譚」
山本周五郎 「隠喩としての病い」 スーザン・ソンタグ 「認められぬ病 現代医療への根源的問い」柳澤桂子 など
これらを網羅的に扱うに、看護者としての教養の書にしては、課題が大きすぎ、虻蜂とらずになりそうだが、アプローチとしてなんらかの手がかりはつかめるのではなかろうか。