芭蕉新年の28句

                                 芭蕉 新年の句  生涯28句
1 春立つや新年古き米五升  
   貞享元年(1684)
2 元日や思へばさびし秋の暮 
天和3年(1683)
3 元日は田毎の日こそ恋しけれ  
元禄2年(1689)
4 於春々大ナル哉春と云々  
延宝8年(1680)
5 庭訓の往来誰が文庫より今朝の春
延宝6年(1678)
6 誰やらが形に似たり今朝の春 
貞享4年(1687)
7 天秤や京江戸かけて千代の春  
延宝4年(1676)
8 二日にもぬかりはせじな花の春 
貞享5年(1688)
9 薦を着て誰人います花の春  
元禄3年(1690)
10 疑ふな潮の花も浦の春 
元禄2年(1689)
11 甲比丹もつくばはせけり君が春  
延宝6年(1678)
12 発句なり松尾桃青宿の春  
延宝7年(1679)
13 蓬莱に聞かばや伊勢の初便  
元禄7年(1694)
14 門松やおもへば一夜三十年  
延宝5年(1677)
15 幾霜に心ばせをの松飾り  
貞享3年(1686)
16 叡慮にて賑ふ民の庭竈             
元禄元年(1688)
17 大津絵の筆の始めは何仏  
元禄4年(1691)
18 年は人にとらせていつも若夷 
寛文6年(1666)
19 山里は万歳遅し梅の花  
元禄4年(1691)
20 餅花やかざしにさせる嫁が君  
 延宝年間(1673-1681)
21 子の日しに都へ行かん友もがな  
貞享2年(1685)
22 餅を夢に折り結ぶ歯朶の草枕  
元和元年(1681)
23 誰が聟ぞ歯朶に餅負ふ丑の年  
貞享2年(1685)
24 蒟蒻にけふは売り勝つ若菜かな  
元禄6年(1693)
25 古畑や薺摘み行く男ども  
貞享4年(1687)
26 四方に打つ薺はしどろもどろかな  
貞享年間(1684-1688)
27 一年に一度摘まるる薺かな  
元禄7年(1694)
28 年々や猿に着せたる猿の面  
元禄6年(1693)